上限金利

上限金利引き下げの影響

上限金利の引き下げがささやかれると、金融業界はこぞって「上限金利を引き下げたらヤミ金融が増加する」と連呼します。各方面から御用学者を連れてきて「上限金利を引き下げれば本当に違法業者が跳梁跋扈する世の中になる」といったコメントをさせて、マスコミに流して世論を誘導しようとします。

彼らはそれまでアメリカのように多重債務者を救済するカウンセリング団体(金融業者の寄付によって設立)を設立しようともせずに、過剰融資を行った挙句に、多重債務者や自己破産者を増やしてきていながら、ヤミ金融を引き合いに出して上限金利の引き下げに反対するなど、滑稽以外のなにものでもありません。

ましてや、当時彼らが取っていた金利は、利息制限法に違反する高い金利だったのも見逃せない点です。

上限金利が100%を超えていた時代

昭和40年代のサラリーマン金融の時代、当時の上限金利は利息制限法では18.0%とされていたものの、どの業者も遵守せずに出資法で定められた109.5%という天文学的な数字の上限金利を採用していたのです。これほど高い上限金利を、誰が決めたのか知りたいものです。

その後、段階的に下げられていったものの、1991年に改正された40.004%という上限金利が長く続くことになります。素人目で見てもこんな高い利息を取っていたら、金融業者はぼろ儲けだなあと思うだろうし、逆にそんな高金利で借りてしまえば支払いが出来なくなるのは自明の理だとも思うでしょう。

実際、自動契約機の登場で顧客数が増えたこともあって、当時の自己破産件数は爆発的に増加しています。それもそのはずで、上限金利が40.0%などという利息で借りてしまえば、毎月の利息を払うのが精一杯のはずで、何かの突発的な出費があれば立ちどころに返済不能に陥ってしまうはずです。

上限金利の時代推移

上限金利引き下げへの反論

多重債務者と自己破産者の増加を目のあたりにした政府は、平成12年6月に上限金利の引き下げを検討します。今までの40.004%から29.2%に引き下げるという案ですが、これに猛烈に反対したのが消費者金融業界です。それもそのはずで、上限金利を下げられたら営業利益が減ってしまうからで、その他の理由は取ってつけたような代物です。

その取ってつけたような理由が、「上限金利を下げればヤミ金融が増える」というものです。上限金利の引き下げによって、正規の登録業者が倒産してしまい、その結果、多重債務者がヤミ金融などに頼らざるを得ない状況に至っており、上限金利は少なくとも引き上げ、又は現状維持が適切である」というものです。

上限金利を40.004%も取っておきながら、それを29.2%に下げたら倒産をすると主張するのも滑稽な話しですが、借りれなくなった多重債務者ヤミ金融へ走るというのも可笑しな話です。借りれなくなった多重債務者が、もはや自己破産をする以外に方法はないはずです。

現在の視点から思うこと

現在、改正により上限金利は18.0とされています。大手などでは顧客獲得競争により、一桁の金利設定をしていますが、それでも十分な利益をあげているのが現状です。40%もの金利を取っていた時代の無法ぶりが浮き上がってくるような対比です。

これまでの間に、どれほどの人が法外な金利を支払わされた挙句、苦悩して路頭に迷ったことか。夜逃げや自殺をされた多くの人たちtの思いが、この18.0%という金利に表れていると思えば、感謝せざるを得ないでしょう。